BMWの「M」という文字を聞くと、多くの車好きはサーキットを軽やかに駆け抜けるスポーツセダンを思い浮かべるはずです。ところが、2023年に登場したBMW XMは、そんな伝統的なイメージを根底から覆すような、あまりに巨大で個性的な姿で現れました。その姿や中身に対して、SNSや車好きの間では「これはひどい」という声と「これこそが新しい」という声が激しくぶつかり合っています。
BMW XMがひどいと言われる理由は、伝統的なイメージを覆す巨大で光るグリルなどの過激な見た目と、サーキット走行を重視した結果として乗り心地が犠牲になっている点にあります。2,000万円を軽く超える超高級車でありながら、なぜこれほどまでに意見が分かれるのか、実際に調べてわかったことをお話しします。憧れの一台として検討している人も、この異端児が放つ独特の事情を知ると、また違った見方ができるはずです。
BMW XMのデザインが「ひどい」と言われるのはなぜ?
BMW XMを語る上で避けて通れないのが、一度見たら忘れられないあの強烈な外見です。伝統を重んじるファンからは「BMWらしさが失われた」と厳しい声が上がっていますが、一方でこの唯一無二の存在感に惹かれる層も確実に存在します。なぜこれほどまでに好みが分かれてしまうのか、その理由となっている部分を詳しく見ていきましょう。
巨大な光るグリルと鋭いライトの組み合わせ
BMWの象徴であるキドニーグリルが、この車では驚くほど巨大化しています。さらに「アイコニック・グロー」と呼ばれる機能で、グリルの縁が白く光る仕掛けまで付いているのが特徴です。夜の街で見かけると、暗闇の中に光る大きな八角形が浮かび上がり、その威圧感は他のどんなSUVよりも強いと感じました。ヘッドライトも上下二段に分かれた非常に薄いデザインになっていて、これまでのBMWに慣れ親しんだ人からすると、どこを見ていいのか戸惑うような顔つきになっています。
かつての控えめな美学とは正反対の方向を向いていることが、古いファンを驚かせている大きな原因の一つでしょう。これまでの「M」は、普通のモデルと見分けがつきにくいけれど走ると凄い、という羊の皮を被った狼のようなかっこよさがありました。しかしXMは、遠くからでも一目でそれとわかることを最優先にしているように見えます。こうした「見せつけるデザイン」が、品がないと感じる人にとっては「ひどい」という評価につながっているのが今の状況です。
縦並びの4本出しマフラーが放つ異質さ
後ろ姿に回ってみると、さらに驚くような仕掛けが待っています。一般的な高性能車は、左右に丸いマフラーが2本ずつ並んでいることが多いですが、XMは縦に並んだ六角形のマフラーが左右に配置されているのです。この「縦並び」という配置はこれまでの市販車ではほとんど例がなく、まるでSF映画に出てくる乗り物のような異質感を出しています。調べてみると、これもまた他の車と似たようなデザインにしたくないという、デザイナーの強いこだわりから生まれたものだということがわかりました。
実際に目にすると、このマフラーの存在感だけで「ただ者ではない」という空気が伝わってきます。しかし、これが車全体の重厚なイメージと合っているかどうかは別の話です。縦並びにしたことでリアバンパーの造形が複雑になりすぎて、後ろから見た時にどこか落ち着かない印象を与えてしまうのも否定できません。斬新さを求める人にはたまらないポイントかもしれませんが、調和を大切にする人からすると、やりすぎだと感じてしまうのも無理はないでしょう。
Dピラーの金縁トリムが好みを激しく分ける
ボディの横側に目を向けると、窓のラインに沿って太いゴールドの縁取りが施されているのが目に入ります。Dピラーと呼ばれる車の後方の柱部分まで伸びるこの装飾は、ボディカラーが黒や紺などの濃い色だと、金色のラインが浮き上がって非常に目立ちます。高級感を出すための演出だというのはわかりますが、あまりに主張が強いため、少し派手すぎると感じる人が多いのも頷けます。
実際のところ、この金色の縁取りがあることで、車全体が「成金趣味」のように見えてしまうという意見もありました。もちろん、このキラキラした質感がラグジュアリーで良いと感じる人もいますが、BMWに「質実剛健」なイメージを抱いている人にとっては、受け入れがたい要素の一つになっています。結局のところ、XMは万人受けを狙った車ではなく、強烈な自己主張をしたい人のための車なのだとはっきりわかります。
リアガラスに刻まれた2つのBMWエンブレム
細かい部分ですが、リアガラスの左右上部にBMWのエンブレムがレーザーで刻印されています。これは、かつての伝説的なスポーツカーである「M1」をオマージュしたデザインだと言われています。しかし、わざわざガラスにロゴを刻むという手法が、人によっては「ブランドを強調しすぎていてくどい」と感じる原因になっているようです。歴史を知るファンにとっては嬉しい演出かもしれませんが、知らない人からすれば、なぜこんなところにロゴがあるのか不思議に思うかもしれません。
そもそも、最近のBMWのデザインは全体的に「やりすぎ」と言われる傾向にありますが、XMはその集大成のような存在です。どこを見ても強い主張が詰まっていて、視線を休める場所がないような感覚に陥ります。つまり、この車は洗練された美しさを競うのではなく、見た瞬間のインパクトで相手を圧倒することを目的としているのです。その突き抜けた姿勢が、一部の人には「ひどい」と映り、一部の人には「最高」と映る大きな溝を生んでいます。
走りの質感に賛否が分かれる3つのポイント
2.7トンもの重さがありながら、V8エンジンとモーターで強引に加速させる走りは、まさに「力業」という言葉がぴったりです。スポーツカーのような鋭さを期待する人と、高級SUVらしいゆとりを求める人とで、評価が真っ二つに割れています。実際にハンドルを握った人たちが感じている、この車ならではの独特な味付けについて深掘りしてみます。
1. 2.7トンの巨体がもたらす曲がりにくさ
数字で見ると驚くのですが、この車の重さは約2,710kgもあります。これは一般的な軽自動車3台分以上に相当する重さで、いくら高性能なサスペンションを備えていても、物理的な重さを完全に消し去ることはできません。カーブを曲がる時には、その巨大な質量が外側に逃げようとする力がはっきりと伝わってきます。もちろん、後輪を操舵するシステムなどで工夫はされていますが、ヒラヒラと舞うような軽快感とは無縁の世界にあります。
「M」のバッジがついている以上、どうしてもサーキットでの切れ味を想像してしまいますが、実際のところは高速道路を矢のように突き進む方が得意な車です。タイトな峠道を攻めるような場面では、その大きさと重さがどうしても足かせになってしまいます。つまり、この車はスポーツカーではなく、あくまで超高速で移動するための「重戦車」のような存在なのだと気づかされました。この重さをねじ伏せる感覚を、パワーと捉えるか、鈍さと捉えるかが評価の分かれ道です。
2. 低速域で路面の凹凸を拾いすぎる硬い足回り
乗り心地についても、驚くほどスパルタンな仕上がりになっています。2,000万円を超える高級SUVであれば、雲の上を歩くような柔らかさを想像しがちですが、XMは路面の状況をダイレクトに伝えてきます。特に街中をゆっくり走っている時は、マンホールの段差やアスファルトの荒れた部分を「ガツン」といなす感触があり、これが同乗者から不評を買う大きな要因になっているようです。
これほどの重さを支えつつ、ロール(車体の傾き)を抑えるためには、足を硬く固めるしかなかったのでしょう。エアサスペンションを採用せず、あえてコイルばねを使っている点からも、BMWが走りの鋭さを優先したことがよくわかります。正直なところ、家族を乗せて優雅に買い物に行くには、少しばかり気合が必要な硬さです。こうした硬めのセッティングが、高級車らしい快適さを期待していた人には「ひどい乗り心地」という言葉となって返ってきています。
3. モーターからV8に切り替わる時の唐突な挙動
PHEV(プラグインハイブリッド)であるXMは、静かに電気だけで走る状態から、いきなりV8エンジンが目を覚ます瞬間があります。この切り替わりの時に、わずかなショックや音のギャップが生じることがあり、高級車としての滑らかさを求める人には違和感として映るようです。アクセルを強く踏み込んだ瞬間に、猛獣が吠えるようなエンジン音が響き渡る様は圧巻ですが、そのドラマチックさが「唐突すぎる」と感じる場面もありました。
静粛性と爆発的なパワーという二面性を持っているのは魅力ですが、そのつなぎ目に荒削りな部分が残っているのは事実です。常に完璧なスムーズさを求めるなら、電気モーターだけの車や、逆にガソリン車の方が不自然さはないかもしれません。この「機械を操っている感覚」を楽しいと思えるかどうかが大切になります。調べてみた限りでは、この切り替わりの荒さも「Mらしい野性味」として受け入れるか、単なる「未完成な制御」と感じるかで、満足度が大きく変わってきます。
2,000万円超えの価格に見合う価値はある?
BMW XMの価格は2,130万円からとなっており、これはBMWのラインナップの中でも突き抜けた存在です。この金額を出せば、他のスーパーカーブランドのSUVも射程圏内に入ってきます。それでもあえてXMを選ぶ理由がどこにあるのか、コストパフォーマンスという言葉では測れない、この車独自の価値を考えてみます。
ランボルギーニ・ウルスより安くX7より高い
競合となる車と比較してみると、XMの立ち位置がよりはっきり見えてきます。イタリアの猛牛、ランボルギーニ・ウルスは3,000万円を超えてきますが、それよりは手が届きやすく、それでいてBMWの最上級SUVであるX7よりも圧倒的に特別な存在として仕立てられています。以下の表は、似たような性格を持つライバルたちとの価格帯をまとめたものです。
| モデル名 | 価格の目安 | 最高出力 |
| BMW XM | 2,130万円〜 | 653馬力 |
| ランボルギーニ・ウルス | 3,000万円超 | 666馬力〜 |
| アストンマーティン DBX | 2,500万円〜 | 550馬力〜 |
価格だけで見れば、このクラスのSUVとしては「絶妙な隙間」を突いていると言えます。BMWというブランドに愛着があり、誰とも被りたくないという富豪層にとって、この価格設定は一つの正解なのかもしれません。実際のところ、ウルスの派手さは気恥ずかしいけれど、普通のBMWでは物足りないという層に、この絶妙な価格が刺さっているように感じました。
M専用モデルという唯一無二のブランド力
何よりも価値があるのは、この車が「M専用モデル」であるという事実です。通常、M3やM5などはベースとなる普通のモデルが存在しますが、XMにはベース車がありません。かつての名車「M1」以来、約40年ぶりに登場したM専用車というストーリーだけで、車好きの心を揺さぶるには十分な力があります。つまり、単なる「速いSUV」を買うのではなく、BMW Mの歴史そのものを手に入れるという感覚に近いのでしょう。
この特別な背景を知っている人からすれば、2,000万円という価格も決して高くはないのかもしれません。むしろ、歴史の転換点に立ち会っているような、不思議な高揚感を与えてくれる車です。普通の人が見れば「変な形の高い車」かもしれませんが、文脈を知る人にとっては「究極のコレクターズアイテム」になります。この情報の差が、価値を感じる人と「高すぎる」と切り捨てる人の差になっていると感じました。
内装の天井に施されたアルカンターラの立体彫刻
外見の派手さに負けず劣らず、内装の作り込みも凄まじいものがあります。特に天井を見上げると、アルカンターラ素材を使い、幾何学模様のように立体的な細工が施されていて、さらにサイドからLEDで照らされるようになっています。これはもはや車の内装というより、現代アートの展示室のような雰囲気です。夜間にこの照明を灯すと、室内はまさにラウンジのような贅沢な空間に様変わりします。
後部座席も「Mラウンジ」と名付けられ、座面がドアパネルまで回り込むように設計されています。座ってみると、包み込まれるような安心感があり、贅沢な素材に囲まれる喜びを肌で感じることができました。高級な家具をそのまま車に詰め込んだような、この唯一無二の空間作りには、確かな価値が宿っています。外からの視線は「ひどい」と厳しいかもしれませんが、中に座っている本人からすれば、この上なく心地よい隠れ家になるのは間違いありません。
中古車市場でのリセールバリューは期待薄
一方で、お金の面で厳しい現実も突きつけられます。こうした超個性的なモデルは、新車時の価格が高くても、中古車になった時の値落ちが激しい傾向にあります。デザインの好みがはっきり分かれるため、買い手が限定されてしまうのが理由です。数年後に手放す時の価格を気にする人にとっては、この値崩れのリスクは「ひどい」と感じる要素になりかねません。
リセールバリュー(再販価値)を最優先にするなら、もう少し無難なレンジローバーやポルシェ・カイエンを選んだほうが賢明です。この車は、損得を抜きにして「今、この瞬間にこの個性を楽しみたい」と思える、余裕のある人のための乗り物だと言えます。実際のところ、投資として買う車ではないのは間違いありません。買った瞬間に数百万円の価値が下がることを受け入れられる、本当の富裕層にしか使いこなせない車だと言えます。
実際に所有するなら覚悟が必要な日常の使い勝手
憧れだけで手に入れると、日々の暮らしの中で思わぬ壁にぶつかるのがXMの恐ろしいところです。日本の道路環境や駐車場事情を考えると、かなり制限された使い方を強いられる場面が出てきます。実際にハンドルを握る前に知っておくべき、物理的な制約についてまとめてみました。
全幅2m超えでコインパーキングはほぼ絶望的
この車の横幅は2,005mmもあります。2メートルを超えると、日本国内の一般的なコインパーキングに停めるのはほぼ不可能です。枠に収まったとしても、隣の車との隙間がほとんどなくなり、ドアを開けて降りることができなくなります。無理に停めようとすれば、自慢の大きなホイールを縁石でガリッとやってしまうリスクも常に付きまといます。
デパートやホテルの駐車場でも、大型車専用のスペースが空いていなければ、入り口で断られるケースもあるでしょう。出かける先で「どこに停められるか」を事前に調べるストレスは、想像以上に大きなものです。つまり、この車は行く場所を選ぶ、かなりわがままな相棒だということを覚悟しなければなりません。自由気ままにどこへでも行ける足を探しているなら、このサイズは間違いなく「ひどい使い勝手」という評価に変わります。
最小回転半径6.7mでUターンが一度で決まらない
小回りが効かないのも、日本の狭い道では大きな弱点になります。最小回転半径は6.7メートルと、マイクロバス並みの数字です。後輪操舵がついているとはいえ、道幅の狭い道路でのUターンは一度では終わらず、何度も切り返しを必要とする場面に遭遇します。これだけ大きな車体で何度も切り返しをするのは、周囲の目もあり、精神的にもかなりのプレッシャーになります。
曲がり角でも、内輪差をしっかり意識して大きく膨らまないと、リアタイヤが内側を擦ってしまいます。実際のところ、日本の旧市街や住宅街の細い道を走るのには全く向いていません。広々とした幹線道路や高速道路を走っている時は王様のような気分ですが、路地に入った瞬間に冷や汗をかくことになるでしょう。この扱いにくさを「デカい車に乗っている証」として楽しめる余裕が求められます。
自宅に急速充電器がないと宝の持ち腐れ
PHEVとしての性能をフルに発揮するには、こまめな充電が欠かせません。電気だけで約90km走れるのは素晴らしいことですが、2.7トンの巨体を動かすには相応の電力が必要です。もし自宅に充電設備がなく、出先の急速充電も面倒だと感じるなら、ただの「燃費が悪い重いガソリン車」として乗ることになってしまいます。
ガソリンだけで走る時の燃費は、お世辞にも良いとは言えません。せっかくの最先端ハイブリッドシステムも、使いこなせなければ重いバッテリーを無駄に運んでいるだけになってしまいます。この車を本当の意味で楽しむためには、生活環境そのものを車に合わせる必要があるのです。環境が整っていない人にとっては、ただ維持費がかさむだけの扱いにくい車になってしまうリスクがあります。
V8サウンドを鳴らすと近所迷惑になる音量
4.4リッターのV8ツインターボエンジンが目を覚ました時の音は、車好きにはたまらない快音です。しかし、閑静な住宅街で早朝や深夜にエンジンをかけるのは、かなりの勇気がいります。たとえマフラーの音を抑えるモードがあったとしても、エンジンそのものが持つ迫力ある鼓動は隠しきれません。
「ひどい」とまでは言わなくとも、周囲への配慮が必要なのは間違いありません。加速するたびに周囲の注目を浴びるのは快感かもしれませんが、それが常に望ましい場面ばかりではないはずです。この野性味あふれる性格を、自分の一部として受け入れられるかどうかが問われます。自分だけが楽しむのではなく、周囲の環境との折り合いをつけることが、XMオーナーに求められる隠れた条件です。
BMW XMが「向いていない人」に共通する2つの特徴
どれほど魅力的な車であっても、自分のライフスタイルや好みに合わなければ、最終的には後悔に繋がってしまいます。XMという強烈な個性を前にして、冷静に「自分には合わないかも」と判断するための基準を考えてみました。以下の2つのタイプに当てはまる場合は、少し立ち止まって検討してみることをおすすめします。
1. 伝統的なM3やM5のような軽快さを求める
BMW Mの真髄は、意のままに操れるハンドリングと、ドライバーの意思がダイレクトに路面に伝わる感覚にあります。これまでのM3やM5を乗り継いできた人がその延長線上でXMに乗ると、「重すぎる」「動きが鈍い」と感じてしまう可能性が非常に高いです。これは車が悪いのではなく、目指している方向性が根本的に違うからです。
軽快なステップでコーナーを駆け抜ける楽しさを優先するなら、XMはあまりに巨大で、ハイテク武装されすぎています。物理的な重さを電子制御でねじ伏せる感覚は、人によっては「不自然」と感じることもあるでしょう。純粋なドライビングの喜びを追い求めるファンにとっては、この車の豪華すぎる装備や重厚感は、むしろ邪魔な要素に映ってしまうのです。伝統的なMの定義を大切にしたい人ほど、XMの異端ぶりには戸惑うはずです。
2. 家族全員が快適に過ごせる乗り心地を重視する
同乗者の快適さを第一に考えるなら、この車はベストな選択とは言えません。前述の通り、足回りはかなり硬く、後部座席でも路面の振動をはっきりと感じることになります。豪華な内装に目を奪われて購入したものの、家族から「酔いやすい」「乗り心地が悪い」と苦情が出てしまうケースも少なくありません。
以下のポイントを確認して、自分の求める快適さと照らし合わせてみてください。
- 後部座席の座面が意外と短く、長時間の移動で足が疲れやすい
- 高速域では安定するが、低速でのガタつきが目立つ
- 窓が小さめのデザインなので、閉塞感を感じる人がいる
本当の意味でのファミリーカーとしての快適さを求めるなら、同じBMWでもX7の方が遥かに優しく、家族全員を笑顔にしてくれるはずです。XMはあくまで、運転手が主役の「超高性能なプライベート空間」なのだと理解しておくべきです。同乗者の評価が気になるなら、一度家族全員で試乗してみることを強くおすすめします。
まとめ:BMW XMにしかない強烈な個性と向き合う
BMW XMは、伝統的なMのイメージとは正反対の、あまりに過激で異質なSUVです。ひどいと言われる原因の多くは、2.7トンという物理的な重さがもたらす足回りの硬さや、日本での使い勝手を無視したような巨大なサイズ、そして好みが真っ二つに分かれる独創的なデザインにあります。しかし、その一方で「他の誰とも似ていない」という圧倒的な優越感を与えてくれるのも事実で、これまでのBMWに飽きていた層にはこれ以上ない刺激的な一台となっています。
もしこの車を検討しているのなら、まずは狭い道での試乗や、よく使う駐車場のサイズ確認を済ませておくのが賢明です。憧れだけで飛び込むにはあまりに個性が強すぎるため、欠点も含めて愛せるかどうかが大切になります。自分にとってこの刺激が必要なのか、あるいはもっと穏やかな高級車の方が幸せになれるのか、一度胸に手を当てて考えてみる価値は十分にあります。高額な買い物だからこそ、この「異端児」の正体をしっかり飲み込んだ上で判断したいものです。

