BMWといえば「駆けぬける歓び」を掲げるドイツの名門ブランドとして、世界中に熱狂的なファンを抱えています。しかし最近では、その象徴であるフロントグリルのデザインが大きく様変わりしました。新しいモデルが発表されるたびに、SNSや車好きの間では「ダサくなった」「鼻がデカすぎる」といった厳しい声が飛び交っています。
かつての端正でエレガントなBMWを愛してきた人にとって、今の攻撃的なデザインは受け入れがたい変化なのかもしれません。一方で、実車を街で見かけると、不思議と以前のモデルより存在感があって格好良く見える瞬間もあります。デザインがひどいと言われる具体的なポイントと、なぜBMWが批判を恐れずにこの道を選んだのかを整理しました。
BMWの顔立ちがダサいと言われる5つのポイント
BMWのフロントマスクは、長年「キドニーグリル」と呼ばれる左右に分かれた吸気口がトレードオフのアイコンでした。それが2020年頃から急激に巨大化し始め、モデルによっては顔の半分を占めるほどの面積になっています。この極端な変化が、多くの人が「ひどい」と感じる最大の原因です。具体的にどの部分が不評を買っているのか、視覚的な違和感の正体を詳しく見ていきましょう。
1. 縦に大きく伸びたグリルが巨大な鼻に見える
4シリーズから始まった縦に長い巨大なキドニーグリルは、発表直後から「ブタの鼻」や「ビーバーの歯」と揶揄されることになりました。かつては横長で控えめだったグリルが、バンパーの最下部まで突き抜けるような形になったことは、あまりにも衝撃的です。フロントマスクのバランスが崩れ、グリルだけが浮いて見えるという意見が後を絶ちません。
つまり、車全体の流麗なラインよりも、グリルの主張が強すぎて視線が一点に集中してしまうのが問題なのです。これまでのBMWが持っていた「控えめな高級感」を期待していた人にとって、この変化はあまりに唐突すぎました。実際のところ、ナンバープレートがグリルの真ん中を横切る配置も、デザインを邪魔しているように見えてしまいます。伝統を破壊するようなこの強烈な縦型デザインが、ダサいという評価の筆頭に挙げられるのは避けられない事実です。
2. 左右が繋がったことで伝統の2分割が崩れた
BMWのグリルは、左右が独立して2つの「腎臓(キドニー)」のように見えるのがルールでした。ところが最新のiXやM2といったモデルでは、左右のグリルが中央で繋がったような形状に進化しています。2つの独立したパーツが並ぶ美しさを知っているファンからすれば、これはアイデンティティの消失に他なりません。一つに繋がったグリルは、どこか他のメーカーの車に似た雰囲気を感じさせ、BMWらしさが薄れてしまった印象を与えます。
それが伝統の継承よりも、新しさを優先した結果だとしても、長年のファンには裏切りに近い感覚を持たせています。左右を繋げることでワイド感を演出しようとしているのは理解できますが、結果として「2つの鼻の穴」という個性がボヤけてしまいました。つまり、あえて伝統を捨てることで、ブランドの顔としてのインパクトを強引に作り出しているようにも見えます。この形状の変更は、これまでのBMWのデザイン言語に慣れ親しんだ人ほど、強い拒否反応を示すポイントになっています。
3. ライトが細すぎて全体のバランスが悪い
最新の7シリーズやXMといった高級モデルでは、メインのヘッドライトが上下2段に分かれ、上部が非常に細いデザインになっています。かつてのBMWは「丸目4灯」をモチーフにした、力強い眼差しが特徴でした。それが極細のLEDライトになったことで、表情が冷酷で無機質なものに変わり、どこか不気味な印象を与えてしまっています。グリルの巨大化とは対照的にライトが小さくなったことで、顔全体のパーツの対比が不自然に見えるのです。
ライトの存在感が薄れたことで、夜間に見るとどのメーカーの車か判別しにくいという声も少なくありません。それが未来的な演出だとしても、以前のような「知的なスポーティさ」を感じさせる眼光は失われてしまいました。細すぎるライトは、巨大なグリルとの組み合わせにおいて、顔全体のバランスを著しく損なわせる要因の一つです。実際のところ、この「細目」のデザインは、これまでのBMWが培ってきた端正な造形美とは正反対の方向に進んでいるように感じられます。
4. グリルを光らせる演出が派手すぎて下品に感じる
「アイコニック・グロー」と呼ばれる、キドニーグリルの縁取りをLEDで光らせる機能も賛否が大きく分かれています。夜間の街中でグリルが白く浮かび上がる姿は、確かに遠くからでも一目でBMWだと分かりますが、これを「下品な光り方」と感じる層は一定数存在します。本来は空気を取り入れるための機能パーツであるグリルを、ただ目立たせるための照明器具にしてしまったことに、違和感を抱く人が多いのです。
成金趣味的な派手さが目立ち、BMWが持っていた質実剛健なイメージを損なっているように見えます。それが高級ホテルやナイトシーンでの映えを狙ったものだとしても、古くからのオーナーからは「やりすぎだ」と切り捨てられることが多いです。つまり、光の演出に頼らなければ個性を主張できないのかという、ブランドの自信のなさを指摘する声さえあります。光り輝くグリルは、技術的な進歩というよりは、視覚的な虚飾としての印象が強く残ってしまいます。
5. 伝統のCピラー形状が消えて個性がなくなった
BMWのデザインにおいて、後席ドアの窓枠の後端がクイッと曲がっている部分は「ホーフマイスター・キンク」と呼ばれる重要な聖域でした。これが最新モデルでは直線的になったり、太くなったりして、かつての鋭いキックアップの造形が崩れつつあります。フロントマスクばかりが注目されますが、車全体のシルエットを決定づけるこの伝統的な形状の変更は、デザイン通にとって大きな落胆ポイントです。
サイドから見た時の「BMWらしさ」を支えていた細部のこだわりが、空力や後席の視界確保という実用的な理由で簡略化されてしまいました。それが時代の流れだとしても、どの角度から見てもBMWだと分かる個性が、また一つ消えてしまったのは事実です。細部に宿っていたこだわりが消え、どこか安っぽい印象を与えてしまう原因になっています。つまり、アイコンを一つずつ削ぎ落としていった結果、車全体の佇まいが平凡なSUVやセダンに近づいてしまったのです。
昔ながらのファンが強烈な違和感を持つのはなぜ?
長年BMWを乗り継いできたオーナーほど、今のデザイン変更には戸惑いを隠せないようです。それは単に「見た目が変わった」という表面的な問題だけではなく、ブランドが大切にしてきた哲学そのものが変化したと感じるからです。かつては「分かる人にだけ分かる上質さ」を美徳としていたBMWが、なぜこれほどまでに自己主張を強めるようになったのか。その背景にある、価値観の変化についてお話しします。
エレガントさより威圧感を強調するようになった
以前のBMWは、知的なビジネスマンやスポーツマンが選ぶ、知的でスマートな移動体というイメージでした。しかし、今のデザインからは「道を開けろ」と言わんばかりの、強烈な威圧感や攻撃性が伝わってきます。フロントグリルの巨大化や、角ばった筋肉質な造形は、周囲を威嚇するような迫力を生み出しています。この変化が、控えめな上品さを好んでいた従来のファン層を遠ざける原因となりました。
エレガントなスポーツセダンから、オラオラ系のラグジュアリーカーへとキャラクターがシフトしてしまったのです。それが、より大きな富裕層を惹きつけるための戦略だとしても、古くからのファンには趣味が悪くなったように映ります。実際のところ、美しさよりも「目立つこと」を最優先にしているような今の姿勢は、BMWのブランドイメージを根本から変えつつあります。つまり、落ち着いた大人の道具としての魅力が、強すぎる主張に飲み込まれてしまったのです。
物理ボタンが消えた内装がどの車も同じに見える
デザインの不評は外装だけにとどまらず、最新の内装に対しても厳しい意見が集まっています。巨大な「BMWカーブド・ディスプレイ」の採用により、かつてのドライバーオリエンテッドなコクピットから、タブレットが並ぶだけの無機質な空間へと変わりました。エアコンの操作までタッチパネルに集約され、ブラインド操作がしにくくなったことは、運転の楽しさを追求するブランドとしては疑問が残る変更です。
何より、どのモデルに乗っても同じディスプレイが鎮座しているため、シリーズごとの個性が感じられなくなりました。それがコスト削減や生産効率の追求だとしても、乗り込んだ瞬間にワクワクさせてくれた独自の計器類が消えた寂しさは拭えません。物理ボタンをカチカチと操作する質感の高さこそが、高級車の醍醐味だったはずです。画面の中ですべてを完結させる現代的なインターフェースは、BMWがかつて誇っていた「運転に没頭できる空間」とは別の方向を向いています。
プレスラインが複雑になりすぎてスッキリしない
ボディサイドを見ても、以前のモデルのような一本の凛としたプレスラインではなく、複雑な線が入り混じるデザインが増えています。光の当たり方で表情を変える彫刻的な美しさを狙っているのでしょうが、見る人によっては「ごちゃごちゃしてうるさい」と感じさせます。面構成が複雑になればなるほど、車全体のシルエットがぼやけ、かつての引き締まった印象が失われてしまいました。
ラインを増やして変化をつけようとするあまり、どこか落ち着きのない、不安定な造形に見えてしまうことがあります。実際のところ、シンプルであればあるほど研ぎ澄まされていたBMWのデザイン言語が、今や装飾過多に陥っている印象は否めません。それが現代の流行だとしても、飽きのこない時代を超えた美しさは、今のモデルからは感じにくいのが正直なところです。つまり、余計な線を付け足すことで、かえってデザインの純度が下がってしまったのです。
不評なのに世界中で売れ続けている3つの理由
ネット上で「ダサい」「ひどい」と叩かれ続けているにもかかわらず、BMWの販売台数は世界的に絶好調です。一部の保守的なファンが離れた一方で、それ以上に新しい顧客を強力に惹きつけている事実があります。なぜ、これほど批判されながらもビジネスとしては大成功を収めているのか。そこには、現在の自動車市場における冷徹なまでの戦略と、実際に所有した人だけが分かる「ある事実」が隠されています。
中国や北米市場では派手な顔立ちの方が好まれる
日本やヨーロッパのファンが「大きすぎる」と嘆くあのグリルは、実は最大市場である中国やアメリカでは大歓迎されています。これらの国々では、バックミラーに映った瞬間に「高い車が来た」と一目で分かる、強烈な威圧感がステータスとして求められます。BMWにとって、一部の保守的な層の意見よりも、最もお金を払ってくれる市場の好みを優先するのは、企業として当然の判断でした。
つまり、世界規模で見れば「ひどいデザイン」は、むしろ「選ばれる理由」になっているのです。それが市場に迎合しすぎていると批判されても、販売台数という数字が正当性を証明してしまっています。実際のところ、今のBMWのデザインは世界一贅沢な人々の好みに合わせてチューニングされた、極めて合理的な形だと言えます。日本市場の感覚だけで評価してしまうと、この世界戦略の本質を見誤ることになります。
実際に街で見ると迫力があって古さを感じない
写真やネットの画像で見ると違和感がある巨大グリルも、実際に街中で走っている姿を見ると意外と格好良く見えることがあります。実車には写真では伝わらない立体感や光の反射があり、圧倒的なオーラを放っているからです。以前のモデルと並ぶと、新しいモデルの方がはるかに新しく、時代を先取りしているような「オーラ」を感じさせるのは否定できません。
最初は「ひどい」と言っていた人も、街で見かける回数が増えるにつれて、そのデザインに目が慣れてくる現象が起きています。それがBMWの計算どおりだとしたら、あまりに恐ろしいデザインセンスです。古臭さを感じさせない新世代の高級感として、徐々に市民権を得ているのが現実と言えます。つまり、最初の一撃で度肝を抜き、後からじわじわと納得させるという、高度な心理戦を仕掛けているのです。
走りの質感や先進技術の満足度が圧倒的に高い
デザインに文句を言いながらも、試乗してしまったら最後、その走りの良さに魅了されてハンコをついてしまう人が後を絶ちません。BMWの真骨頂であるエンジンの吹け上がりや、正確無比なハンドリング、そして最新のEV技術「eDrive」の完成度は、デザインの好みを凌駕するほど素晴らしいものです。見た目がどうあれ、運転席に座って走り出した瞬間に「やっぱりBMWは最高だ」と思わせてくれる実力があるのです。
さらに、最新のOSや音声認識、自動運転支援といったソフト面での進化も、ライバルを圧倒する使い勝手を実現しています。車を「移動の道具」として評価した時、中身の出来が良すぎるため、外見の違和感など些細な問題に思えてくるのです。実際のところ、中身が最高であれば、外見はやがて「自分だけの個性」として愛着が湧くようになります。中身を信じ切れるからこそ、BMWはこの攻めたデザインを貫き通すことができているのです。
自分に合うBMWを後悔せずに選ぶならどれ?
デザインが激変した今のBMWラインナップの中で、どれを選べば後悔しないのかは非常に悩ましい問題です。伝統を重んじるのか、それとも最新のトレンドに乗るのか。自分の好みや用途に合わせて、今のBMWを賢く選ぶための指針を整理しました。失敗しないためのモデル選びのポイントを、それぞれのシリーズの特徴とともにお伝えします。
3シリーズはまだ伝統的な顔立ちを守っている
「巨大グリルはどうしても受け入れられない」という人にとって、3シリーズは最後の砦と言える存在です。最新のモデル(LCI後)であっても、グリルは横に広がる伝統的なバランスを保っており、誰もが「BMWらしい」と感じる端正な顔立ちを維持しています。セダンとしてのプロポーションも非常に美しく、威圧感よりも知的なスポーティさが際立つデザインです。
つまり、街中で目立ちすぎず、それでいてBMWオーナーとしての誇りを感じたい人には、3シリーズが最も無難で賢い選択肢になります。サイズ感も日本の道路事情に合っており、使い勝手とデザインのバランスが最も高次元で取れているモデルです。実際のところ、3シリーズのデザインを否定する人は少なく、リセールバリューの面でも安定した人気を保っています。迷ったらこれ、と言い切れるほどの普遍的な魅力が、3シリーズにはまだ残されています。
SUV系は巨大グリルの方がどっしりして見える
X5やX6、そしてXMといったSUVモデルでは、巨大なキドニーグリルはむしろメリットとして働きます。大きな車体に負けない強い顔立ちが、SUVらしい力強さと高級感をうまく引き立てているからです。セダンで巨大グリルをやるとバランスが崩れやすいですが、全高が高いSUVであれば、縦長や連結したグリルが驚くほどしっくり馴染みます。
「ひどい」と言われるデザインも、SUVというカテゴリーであれば、むしろ「他を圧倒する個性」として好意的に受け入れられやすいです。迫力のある外観と、最新のラグジュアリーな内装が組み合わさることで、今のBMWが目指す新しい価値観を最も純粋に享受できます。つまり、威風堂々と走りたい人にとって、今の巨大グリルSUVは最高の相棒になるはずです。食わず嫌いせずに一度見てみると、その完成度の高さに驚かされることになります。
最新のEVモデルは未来感として割り切る
i4やiX、i7といった電気自動車(EV)モデルのデザインは、これまでのガソリン車とは全く別の「未来の乗り物」として捉えるのが正解です。グリルの中身がパネルになっていたり、ライトが極端に細かったりするのは、新しい時代への挑戦状のようなものです。これを昔のBMWと比較するのではなく、最新のガジェットを手にする感覚で選ぶなら、その尖ったデザインはむしろ誇らしく感じられます。
ガソリン車時代の常識を捨てて、新しいBMWの物語を一緒に作り上げるようなワクワク感が、これらのモデルにはあります。実際のところ、EVとしての性能も世界トップレベルであり、デザインはその先進性を象徴するための記号に過ぎません。つまり、古い価値観に縛られず、最先端を走っているという優越感を味わいたい人には、EVモデルの攻めたデザインこそが相応しいのです。未来へ踏み出す勇気があるなら、これらの個性的なモデルはこれ以上ない選択肢になります。
BMWの基本スペックと中古リセールの目安
車を選ぶ際に、見た目と同じくらい気になるのがスペックと将来の価値です。特にデザインに賛否がある今のBMWでは、リセールバリューにどのような影響が出ているのかを把握しておくことは大切です。代表的な3つのモデルを例に、その特徴と中古市場での評価をまとめました。
| 項目 | 3シリーズ (G20/21) | 4シリーズ (G22/23/26) | XM |
| 全長 / 全幅 (mm) | 4,720 / 1,825 | 4,775 / 1,850 | 5,110 / 2,005 |
| 象徴的な意匠 | 標準的グリル | 巨大縦長グリル | 巨大光るグリル |
| 3年後のリセール | 45% 〜 55% | 40% 〜 50% | 35% 〜 45% |
| 主なパワーユニット | 2.0L ターボ 他 | 2.0L / 3.0L ターボ | 4.4L V8 PHEV |
デザインが個性的なモデルほど値落ちが激しい
中古車市場の現実は非情で、デザインの好みが分かれるモデルほど、売却時の価格は厳しくなる傾向があります。特に巨大グリルを採用した4シリーズや、あまりに独創的なXMなどは、万人受けしないため中古車店も買い取り価格を抑えがちです。一方で、コンサバなデザインを貫いている3シリーズなどは、安定した需要があるためリセールも底堅く推移しています。
つまり、将来の売却価格を気にするのであれば、あまりに攻めすぎたデザインのモデルはリスクが高いと言えます。実際のところ、BMWはもともと新車価格からの値落ちが大きいブランドですが、そこにデザインの好悪が加わるとさらに差が開きます。それでも、「この顔が好きだ」と惚れ込んで買うのであれば、値落ちなど些細な問題かもしれません。中古で安く買えるということは、逆を言えば、個性的なデザインを格安で手に入れられるチャンスでもあるのです。
Mスポーツパッケージは査定で10万円単位の差が出る
BMWを買うなら、ほとんどの人が選ぶ「Mスポーツ(M Sport)」は、リセールを考える上で絶対外せない条件です。標準モデルのデザインが地味に感じる今のラインナップでは、Mスポーツのスポーティな外装パーツがついているかどうかで、中古車としての価値が天と地ほど変わります。査定時には、Mスポであるだけで数十万円の上積みが期待できることも珍しくありません。
デザインが「ダサい」と言われるモデルであっても、Mスポーツの引き締まったバンパーや大径ホイールが加わると、不思議とバランスが取れて見えてくるものです。つまり、少しでもデザインに不安があるなら、迷わずMスポーツを選ぶのが、見た目と資産価値の両方を守る唯一の道です。実際のところ、中古市場で探している人の大半が「Mスポ限定」で検索しているため、標準モデルのリセールはかなり厳しい戦いになります。初期投資は増えますが、その分は売る時に必ず返ってくる、確実な保険だと言えます。
購入後に困らないために確認すべき注意点
BMWはその魅力的な走りと引き換えに、日本の道路環境で使うにはいくつかの現実的なハードルがあります。手に入れた後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、最低限確認しておくべきポイントを3つに絞ってお伝えします。これを知っているかどうかで、BMWとの生活の質が大きく変わることになります。
全幅が1,850mmを超えると立体駐車場で苦労する
最近のBMWは、3シリーズであっても全幅が1,825mmあり、4シリーズ以上になると1,850mmを超えてきます。日本の古いマンションや都市部に多い立体駐車場の多くは、全幅1,850mmを制限としているため、ギリギリ入らないか、入ってもドアを開けられない事態が頻発します。自分の行動範囲にある駐車場のサイズを把握せずに買ってしまうと、目的地で車を停められず途方に暮れることになります。
つまり、カタログスペックの「幅」を確認することは、デザインを選ぶこと以上に重要な儀式です。実際のところ、全幅が1.9メートルを超えるSUVモデルなどでは、屋外のコインパーキングでも枠からはみ出してしまうことがあり、常に神経を使います。デザインに目を奪われてサイズの確認を怠ると、せっかくの「駆けぬける歓び」が「停める場所を探す苦労」に変わってしまいます。購入前に、必ず自宅のパレットサイズと、よく行く場所の駐車場事情を再確認してください。
白や黒以外のカラーは売却時に大きな損をする
BMWはカラーバリエーションが豊富で、美しいブルーや個性的なグリーンも魅力的ですが、リセールを考えるなら白か黒以外はおすすめできません。中古車市場ではアルピン・ホワイトやブラック・サファイアの需要が圧倒的で、それ以外の色というだけで数十万円のマイナス査定になることがあります。どんなにその色が自分に似合っていると思っても、売る時には「不人気色」として扱われてしまうのが冷酷な現実です。
デザインが不評なモデルであっても、白や黒であればグリルの威圧感がうまく調和したり、あるいは高級感として受け入れられたりします。つまり、色で冒険するのは、その車を乗り潰す覚悟がある人にだけ許された贅沢なのです。実際のところ、中古で探している人は「BMWらしい白」や「威厳のある黒」を求めているため、他の色は買い叩かれる要因にしかなりません。将来の資産価値を守りたいなら、無難と言われても白か黒を選んでおくのが賢明な判断です。
複雑な電子制御の故障は保証が切れると高額になる
最新のBMWは、カーブドディスプレイや高度な運転支援システムなど、全身がコンピューターの塊のような造りになっています。これらの部品は非常に高価で、保証が切れた後にディスプレイが故障したり、センサー類が壊れたりすると、修理代が数十万円、時には100万円単位で請求されることもあります。デザインの美しさを支えるLEDライト一つをとっても、交換には目が飛び出るような費用がかかるのです。
つまり、中古でBMWを検討するなら、認定中古車の延長保証に入ることは必須のコストだと考えるべきです。実際のところ、ドイツ車の電子機器は日本の高温多湿な環境に弱く、意外なタイミングで不具合が出ることがあります。デザインに惚れて買った車が、修理代のために維持できなくなるのはあまりに悲しい結末です。維持費の安さを求めるなら、最初から保証のしっかりした個体を選ぶか、新車で3年ごとに乗り換えるような、余裕を持った資金計画が必要になります。
まとめ:BMWの進化は「伝統」より「変革」にある
BMWのデザインに対する「ひどい」「ダサい」という批判は、それだけ多くの人々がこのブランドに期待し、愛してきたことの裏返しでもあります。巨大化したキドニーグリルや細分化されたライトといった大胆な変化は、これまでの伝統に安住することなく、世界市場での生き残りと新しい時代のラグジュアリーを追求した結果です。最初は強烈な違和感を感じても、実車が放つ圧倒的な存在感や、中身に詰まった世界最高峰の走行性能を体験すれば、そのデザインが「ブランドの覚悟」の表れであることに気づかされるはずです。
今のBMWを選ぶということは、過去の遺産を懐かしむのではなく、誰も見たことがない未来の車へ一緒に踏み出すことを意味しています。好みが分かれるデザインだからこそ、手に入れた時の喜びは自分だけの特別なものになり、他の誰とも似ていない個性を街中で主張できるのです。リセールやサイズの制約といった現実的なリスクを理解した上で、自分の感性に響く一台を見つけることができれば、BMWとの生活はこれ以上ない刺激に満ちたものになるでしょう。伝統を壊し、新しいスタンダードを作ろうとするBMWの挑戦を、あなた自身の目で確かめてみてください。

